知って得する専門知識


外壁塗装をするにしても、業者はたくさんあるし、その中でも大手のハウスメーカーもあるし、小さい業者もあるし…。
どこに頼めばいいかもわからない!
しかも、小さい業者に頼んでも手抜きだったらどうしよう?
でも手抜きだったとしてもどうやって見抜くの?!

そんな方のために、外壁塗装についての基礎知識をお教えしたいと思います!

元請けと下請けの違いは?

よく耳にする言葉である「元請け」と「下請け」ですが、何となくの違いは分かるけど、具体的な違いは何?と思ってもなかなか今更聞けないという方はいらっしゃると思います。また、依頼するにあたって金額の違いとかはあるのかという事にもついて触れてみました。

元請けとは

一言でいうと「施主から仕事を請け負う人」のことです。具体的には建設業者の間において、法的な根拠に基づく「入札」のことです。そして、仕事の発注者の大本である施主から仕事を請け負った人たちを意味するのが「元請け」となるのです。

 

下請けとは

「施主から依頼された元請けから、仕事を請け負う人」のことです。元請けが受けた仕事を下請けが階層的に請け合うことです。

 

ハウスメーカーと専門業者、どちらが安いの?

ハウスメーカーの仕事は、当たり前ですが家を建てる(販売する)事です。その値段は大きさにもよりますが、普通の家でも大体2.000万円ほどです。そしてその物件を売るために多くの人手と経費をかけて営業活動を行っています。

その売った後にも、定期点検やメンテナンスなどのアフターケアもしなければいけないので、外壁塗装や補修工事の提案もするのですが、その売り上げはせいぜい100万から200万ほどで、家を買った時の値段と比べると大きくありません。ですから、ハウスメーカーが外壁塗装などの補修工事を請け負う場合には、手数料だけを取って、下請け業者に仕事を出したりしているので、その分高くなってしまうのはやむを得ないのです。

専門業者に依頼をする場合には、依頼をした業者がそのまま施工をしてくれるので、ハウスメーカーよりも値段が安くなります!理由は簡単!前述した元請けと下請けの違いを見て頂ければわかると思いますが、ハウスメーカーに依頼をした場合、外壁塗装だけを依頼すると専門の下請け業者に依頼をするので、その分の人件費などがかかるのです。専門業者に直接依頼をした場合には、その中間マージンがなくなるので、その分お安くなるという仕組みです!

屋根・外壁塗装の基礎知識

家を建築してから10年が経過したある日、ハウスメーカーの管理部の担当者から電話がかかってきました。
数日後、その担当者が見積りを持ってやって来たのですが、その金額を見てびっくり・・・150万円!?
家の外壁塗装の時期を初めてむかえた方のお宅で、実際にあった話です。150万

屋根・外壁の塗装知識がない状態で、業者を選ぶのはとても危険なことです。業者選びの正しい判断をするためには、基礎知識を学ぶことがとても重要になってきます。
建造物の屋根や外壁塗装の基本を学ぶことで、必要性や業者選びに役立ちます。
まずは、基礎・基本をしっかり押さえておきましょう。

屋根や外壁の塗装の必要性

住宅・家などの建物だけではなく、身近にあるほとんどの物に塗装が施されています。
車・船・家具や自転車など、あらゆるところに塗装はされているのです。
ではなぜ、塗装は必要なのでしょうか?
その必要性についてご説明いたします。

・塗装は防水工事

建物は常に雨や雪、紫外線や風、熱などによる影響を受け続けています。これらの自然の様々な事象から建物を守るために保護をしなければいけません。
建物の外壁には、主に「モルタル、コンクリート、サイディング」などの素材が使われており、こういった素材は水に弱く、塗料で防水保護をしないとサビや腐食などを起こしてしまい、物自体の寿命を大きく縮めてしまう原因になってしまいます。
もし、塗装をせずに雨や水がかかるとサビがでてきますし、木に塗装をせずに雨で濡れたままにしておけば、内部の湿気が溜まった状態となり腐食していきます。
家の寿命を縮める大きな原因は、雨、水、湿気などです。防水効果がなければ、木部が腐れたり、きしんだり、鉄部がサビたりと様々なところが劣化していきます。
このように、水は非常に物を劣化させる力が強くあるので、キッチン・バス・洗面所などの水周りや屋根・外壁のように雨や水で濡れる場所が1番に傷んでいきます。
建物の寿命を延ばすためには、外部の防水効果を高めて、内部への雨や湿気の浸入を防ぐ必要があるのです。


・塗装は見た目を美しく見せる

皆さんもご存知のように、塗り替えをすることで『オシャレ』『綺麗』にすることができ、物自体の価値を高めます。
例えば、飲食店、美容室、アパートや旅館などの宿泊施設など、お客様が来店するようなところは、まず『オシャレ』『綺麗』を第一に考えています。
『オシャレ』『綺麗』は、お店の雰囲気やイメージに繋がっているため、無視できない、とても重要なことなのです。
塗装でオシャレに綺麗にしていれば、お客様も快く足を踏み入れることができますし、逆に汚くしていれば、快くとはいかないのではないでしょうか?
つまり、塗装は『オシャレ』、『綺麗』にすることができ、物の資産価値を高めることができ、なおかつ周りからの好印象を得ることが出来るのです。


・塗装の基本回数

また、外壁塗装は10年から15年に一度ほどが目安になります。
塗装は特に仕上がりだけに注目しがちになりますが、「塗料を何回重ね塗りされているか」が重要になってきます。
一度塗りだけですと、仕上がり直後は綺麗な見た目になっていてもすぐに劣化してしまい、劣化部分が目立ってきてしまいます。
外壁塗装は「三度塗りが基本」と言われています。
外壁を長く美しく保つためには、家の外壁と塗料の塗った回数が重要になってきますので、ご注意ください。

では、何故「三度塗りが基本」なのか、一度目の塗装は「下塗り」、二度目の塗装は「中塗り」、三度目の塗装は「上塗り」という役割があるからなのです。
(塗料の中には特例で2回塗りというものもあります。)


・塗装の種類

塗料は、水性系塗料・溶剤系塗料の2つに大きく別れ、それぞれ樹脂によっても耐久性が大きく変わってきます。違いを理解し、慎重に選ぶことが大切です。

水性系塗料と溶剤系塗料
塗料には数多くの種類があり、大きく分けて水性系塗料と溶剤系塗料の二つに分かれます。簡単に説明しますと、水に溶ける塗料を水性系塗料、シンナーで溶ける塗料を溶剤系塗料といいます。マジックなどの、水性インクと油性インクの違いだと覚えておきましょう。

水性系塗料
この水性系塗料の特徴としては、取り扱いがしやすく、作業性にも優れています。
また、価格も溶剤系のものに比べて安く、臭いもしないという利点があります。

溶剤系塗料
溶剤系塗料は、耐久性・耐候性に非常に優れていて、車や船、家具などの生活で使われているほとんどに、この溶剤系塗料が使用されています。


・塗料の耐久性について

一般的に長持ちする塗料ほど価格は高くなります。
塗料は石油缶1缶で6千円のものから10万円をこえるものまで、様々な種類があります。
しかし、価格と耐久性が完全に比例するわけではなく、高価な塗料だから長持ちするとは限らないのです。
塗料のカタログなどをめくってみると、専門用語がズラリと並んでいて一般の方には何が何やらさっぱり…。という事が多いのではないでしょうか?
だから、何かよくわからないけれど専門用語がたくさんあるし、長持ちすると書いてあるから値段の分だけ良いものなのだろうと選んでしまうと、失敗してしまうことが多々あります。

塗料はその成分さえわかれば大体の耐久性は予想がつくようになります。
現在使用されている塗料の成分は大きく4つに分類することが出来ます。

「アクリル樹脂・ウレタン樹脂・シリコン樹脂・フッ素樹脂」

この4つです。
右に行くほど耐久性が高く、価格も高くなります。
それぞれの耐久年数の目安は

アクリル樹脂  …4年~7年
ウレタン樹脂  …7年~12年
シリコン樹脂  …8年~15年
フッ素樹脂   …12年~20年

となります。
ですが、もっとも耐久性の高いフッ素樹脂は価格が高く、そのほかの事情もあり戸建住宅にはほとんど使用されません。
アクリル樹脂は一番安価な塗料ですが、その分耐久性が低いので最近ではあまり使用されていません。
ただし、新築の時には工事費用を抑えるために使用されることはあります。
その為、新築を購入してからの一度目の外壁塗装はお早めにしていただく事が必要となってきます。
塗り替えとしてよく使われている塗料は、ウレタンとシリコンですが「シリコンだから絶対8年~15年持つ」というわけではありません。
もちろん同じシリコン塗料でも、1缶1万円いかのものから5万円をこえるものまであります。
専門的なところになりますが、JIS規格の促進耐候性試験の基準を参考にするというのも1つです。
簡単に言うと、機械で塗膜にダメージを与え続けて、何時間も劣化せずに耐えられるかを測定したものになります。

2000時間耐えられる塗料を「耐候型1種」
1000時間耐えられる塗料を「耐候型2種」
500時間耐えられる塗料を「耐候型3種」

と、基準が決まっているので、「耐候型1種」が1番持ちするということなのです。
塗料カタログのほとんどに記載があるので、いい目安になるかと思います。
※耐候型1種の塗料は最低でも10年は持つといわれています。


・メンテナンス不要の塗料は存在しない

時に「この塗料を使えばメンテナンスや塗り替えは、永久的に必要なくなります!」なんて謳い文句を聞くことはあるのではないでしょうか。これは悪徳業者によくあるセールストークの一種で、「セラミック塗料」というものが出始めて頃によく使われていたようです。

専門知識のないお客様からは、カタログを見て何となくかっこいい響きだからなのかはわかりませんが、セラミック塗料を希望されることがありますが、はっきり言いますと半永久的な塗料はこの世に存在しませんし、「セラミック塗料」を本当に正しく記載するならば、「セラミックを含ませた塗料」という表現になります。

そもそもセラミックというものは、セトモノなどの陶磁器やトイレの便器などに使用されている陶器のことです。セラミックは強固なため、細かく砕いて塗料に混ぜると塗膜の強度が高まって頑丈になります。
また、セラミックには「親水性」という性質があり、水に馴染みやすくなっています。
親水性のセラミックが雨水を塗膜全体になじませて、汚れを分散させるという仕組みなので、わかりやすく言うと汚れを目立ちにくくするのです。

ただ、塗料の成分がすべてセラミックという事であれば効果は期待できますが、実際には塗料の中にセラミック成分が幾ばくか含まれているにすぎません。(セラミック成分の配合割合は業者によって違いがあります。)その為、塗膜すべてが親水性になるわけではないのです。

総じて「セラミック塗料を使えば半永久的」なんてことはあり得ませんので、業者から提案された場合には、詳細を確認の上、メリット・デメリットを正しく理解しておくことが重要です。